研究課題/領域番号 |
18K06153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大岡 宏造 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (30201966)
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研究分担者 |
熊崎 茂一 京都大学, 理学研究科, 准教授 (40293401)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 光合成 / 反応中心 / ヘリオバクテリア / 緑色イオウ細菌 / エネルギー移動 / 電子移動 / X線結晶構造解析 / 一分子分光 |
研究成果の概要 |
ヘリオバクテリア反応中心の高分解能X線結晶構造解析が終了し、キノン分子の存在する構造を明らかにした。現在、論文発表に向けて準備中である。また高純度に精製されたhRC標品を準備し、フェムト秒ポンプ・プローブ分光法を用いることで光誘起により生じるhRC内の励起エネルギー移動および初期電荷分離形成過程をサブピコ秒からナノ秒の時間領域で詳細に追跡した。その結果、hRCの光エネルギー変換の初期過程に関する構造的基盤を明らかにした。グローバル解析により,時定数20 psで観測される初期電荷分離状態形成に伴い,波長816 nmにおいて減衰する新規な成分(red-BChls)を見いだした。
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自由記述の分野 |
生物物理
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
緑色イオウ細菌、へリオバクテリアの反応中心は酸素に対して不安定であるために標品調製が難しく、長らく構造解析に基づく機能解析には至らなかった。本研究では、へリオバクテリア反応中心の構造解析を、キノンを保持したまま解明できたことは非常に意義深い。またフェムト秒ポンプ・プローブ分光法を用い、へリオバクテリア反応中心の励起エネルギー移動から初期電荷分離形成過程までを追跡し、最長波長成分(red-BChls)を見いだした。始原型反応中心であるhRCの光エネルギー変換機構を理解する上で大変意義のある成果であり、今後、詳細な構造機能相関の解明に大いに貢献するものと期待される。
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