研究課題
本研究は、動物のからだの位置に応じて「何を作るのか」を制御するHox遺伝子クラスターについて、ゼブラフィッシュを用いた発生遺伝学的な手法により、ゼブラフィッシュの発生過程における役割と、脊椎動物の進化の過程で機能が保存されているかを検討することを目的としている。これまでにCRISPR-Cas9法を用いて、ゼブラフィッシュに存在する7つのHoxクラスターを欠失した変異体の単離に成功し、機能を欠失したホモ変異体について詳細な表現型解析を行ってきた。最終的にゼブラフィッシュで得られた成果を、相同なHoxクラスターを欠失したノックアウトマウスで報告された知見と比較すると、マウスとゼブラフィッシュ間で機能の共通性が一部観察されるものの、予想外にも機能的相違点が多くあることが見出された。この結果から、動物発生の基盤的な役割を担うHoxクラスターは、脊椎動物の進化の過程で機能は一部保持しつつも、それぞれの進化の過程で異なる機能を獲得した可能性が示唆された。 最終年度にあたる2021年度では、これらの成果を論文としてまとめ、Development誌に掲載することができた(Yamada et al., 2021)。論文発表後、プレスリリースを行うなど、埼玉大学HPや共同研究先の国立遺伝研HPにおいて広く周知した。また、これと並行して、Hoxクラスター欠失を重ねた多重欠失変異体を作製した結果、マウスで報告されていない新規の様々な異常を見出すことができた。現在、クラスター内に存在するHox遺伝子にCRISPR-Cas9を用いて変異を導入し、原因となるHox遺伝子を同定する作業を進めている。併せて、作製した変異体については、マイクロCTスキャンなどを用いた詳細な表現型解析を行っている。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) 備考 (4件)
Development
巻: 148 ページ: -
10.1242/dev.198325
Developmental Biology
巻: 472 ページ: 1-17
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http://www.saitama-u.ac.jp/topics_archives/2021-0601-1152-9.html
https://www.nig.ac.jp/nig/ja/2021/06/research-highlights_ja/pr20210607.html
http://seitai.saitama-u.ac.jp/index.html
http://devbiol.seitai.saitama-u.ac.jp/