ナス科ペチュニアのゲノムDNAについて、ロングリードシークエンスを行った。自家不和合性において自他識別の特異性を制御する雌ずい側発現S-RNase遺伝子と、20個前後存在する花粉側発現SLFs遺伝子の複数の対立遺伝子に対し、それぞれ周辺領域100kb以上を含む精度の高いコンティグを得た。 自他識別において異なる特異性を示すS-ハプロタイプ間での遺伝子周辺領域の比較から、S遺伝子座間で大規模なゲノム断片の組換えや転座が起きている様子を明らかにすることができた。S遺伝子座は、大規模なゲノム断片間の組換えを介して、自他識別に都合の良いSLF遺伝子を獲得することで進化してきたと示唆することができた。
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