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2021 年度 実施状況報告書

タンパク質によるグアニン四重鎖の巻き戻し原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K06181
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

北野 健  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (40346309)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードタンパク質 / 立体構造 / X線結晶解析 / ゲノム維持 / 活性酸素
研究実績の概要

遺伝情報の担い手であるゲノム DNA は,日々様々な危険にさらされている。外部より降り注ぐ紫外線や,細胞の核内に侵入する有害物質は,ゲノム DNA に多種類の損傷を誘発して,巻き戻しや複製等の反応が困難となる障害をもたらす。こうした一連の損傷障害の蓄積から DNA を守るために,哺乳類やバクテリア等の生物は,それぞれの細胞に含まれる種々のタンパク質の構造と機能を進化させて,独自のゲノム維持機構を発展させて来た。このゲノム維持機構は,生物が生存するために必要不可欠な,細胞の最重要防御機構のひとつと考えられている。実際,ゲノム維持機構に関わるタンパク質に生じたわずかな異常が,様々な疾病疾患に関係することも明らかになってきている。しかしながら,その詳細についてはいまだ不明な点が多い。
本研究では,哺乳類やバクテリアの細胞が進化させてきたゲノム維持機構において,重要な働きを担うタンパク質を対象として,構造生物学研究を行っている。本年度は,活性酸素という有害物質を細胞内で除去する働きを持つタンパク質を対象に,研究を進めた。活性酸素は,呼吸等の生命活動のなかで必然的に生じる有害物質のひとつで,ゲノム DNA に広範囲の損傷を誘発することで知られている。本研究を進めた結果,同タンパク質が触媒する酵素反応において,ドメイン運動が重要であることを示唆する新たな知見を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

タンパク質の分子立体構造を調べるために行っている構造解析の作業に,当初の予定を上回る多くの時間を要したため。

今後の研究の推進方策

得られた立体構造情報を基に,活性酸素を分解するタンパク質について,その酵素反応の仕組み解明に向けた研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

進捗状況にやや遅れが生じたことへの対策として,研究計画の見直しが必要になったため。
今後,未使用額の研究費は,研究に必要な消耗品の購入や,学会で研究成果を発表するための旅費,科学雑誌で研究成果を論文発表するための出版料などに使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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