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2020 年度 実績報告書

筋細胞に見られる管状リソソームの形成メカニズムとその生物学的意義

研究課題

研究課題/領域番号 18K06202
研究機関東京工業大学

研究代表者

藤田 尚信  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00506496)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードリソソーム / オートファジー / 筋細胞 / 管状化 / ショウジョウバエ
研究実績の概要

細胞内の分解の場であるリソソームは球状のオルガネラであるが、特定の条件下では管状になることが知られている。しかしながら、そのメカニズムや生物学的な意義はこれまでほとんど明らかにされていなかった。私たちは、ショウジョウバエの変態期に、一群の筋細胞がオートファジー依存的にリモデリングされることを先に報告した。さらに、筋細胞がリモデリングされる際に、管状のリソソームネットワークが筋細胞に張り巡らされる新たな現象を見出した。
本研究では、管状リソソームネットワークの形成メカニズムとその機能を解析した。変態期の筋細胞の経時的な観察より、管状リソソームネットワークは、細胞内分解システムであるオートファジーが誘導される時期に形成される一過的な構造であることがわかった。また、その形成はオートファジーとリソソームの分解活性の双方に依存していた。実際に、オートファジー関連遺伝子を喪失させると、管状構造が失われ、球状のリソソームが多数観察された。さらに、ライブイメージングにより、管状のネットワーク構造により、細胞内の分解コンパートメントが広い範囲で同調していることが明らかになった。これらの結果から、管状リソソームネットワークは、効率的かつ同調した細胞内分解を可能にしていると考えられる。
本研究により、管状リソソームネットワークの形成メカニズムと機能の一端を明らかにすることができた。管状リソソームは、生物種を越えて保存されており、筋細胞に限らず他の組織でも観察されている。本研究は、今後のリソソーム研究の重要な基盤になるものだと考えられる

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] UCSD(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      UCSD
  • [雑誌論文] An autophagy-dependent tubular lysosomal network synchronizes degradative activity required for muscle remodeling2020

    • 著者名/発表者名
      Murakawa Tadayoshi、Kiger Amy A.、Sakamaki Yuriko、Fukuda Mitsunori、Fujita Naonobu
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: 133 ページ: 248336~248336

    • DOI

      10.1242/jcs.248336

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] ショウジョウバエの筋細胞に見られる管状オートリソソームネットワーク2020

    • 著者名/発表者名
      村川直柔、Amy Kiger、酒巻有里子、福田 光則、藤田 尚信
    • 学会等名
      第72回日本細胞生物学会大会
  • [備考] 筋細胞内に管状のリソソームネットワークを発見

    • URL

      https://www.titech.ac.jp/news/2020/048124.html

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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