生物を構成する細胞には、オートファジーという自らのタンパク質などを分解し再利用するメカニズムが備わっている。私の所属研究室においては、オートファジーには大きく二つの経路(通常型と新規)があることを以前に報告した。両経路においてタンパク質Ulk1が必須であることがわかっていたが、その制御機構は明らかになってなかった。本研究において、Ulk1タンパク質はセリンの746番目のリン酸化によって制御されることで、下流の二つのオートファジーへの分岐が調節されていることが明らかとなった。さらに、このリン酸化を目印に使うことで生体内での二つの経路を区別しその活性状態をモニタリングできるようになった。
|