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2018 年度 実施状況報告書

Elongin BC型ユビキチンリガーゼによる細胞分裂、細胞分化制御

研究課題

研究課題/領域番号 18K06213
研究機関名古屋大学

研究代表者

奥村 文彦  名古屋大学, 理学研究科, 講師 (00507212)

研究分担者 原 太一  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00392374)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード骨格筋分化 / ユビキチン / タンパク質分解
研究実績の概要

本申請課題はElongin BC型ユビキチンリガーゼによる細胞分裂、細胞分化の制御メカニズムの解明を目的とするものである。本年度はユビキチンリガーゼFODの解析を進めた。FODは機能未知のユビキチンリガーゼであり、標的とする基質タンパク質も同定されていない。試験管内ユビキチン化アッセイを行ったところ、FODの自己ユビキチン化が認められたので確かにユビキチンリガーゼ活性があることが判明した。
FODの生理的な役割を明らかにするために、FOD結合タンパク質を探索した結果、骨格筋分化に関与するタンパク質を同定した。細胞内のFODをノックダウンしたところ、このタンパク質は蓄積した。さらに筋芽細胞株C2C12を用いて骨格筋分化誘導を行い、FODの役割を解析したところFODノックダウン細胞はコントロール細胞に比べて骨格筋分化が促進していた。したがってFODはこのタンパク質のユビキチン修飾依存的分解を誘導することで骨格筋分化を阻害していることが示唆された。現在、個体レベルでのFODの役割を明らかにするためにFODノックアウトマウスの作製を試みている。また、この骨格筋分化関連タンパク質がFODによってユビキチン修飾を受けることを確認するために試験管内ユビキチンアッセイを行うことを目的として、それぞれリコンビナントタンパク質の精製を試みている。さらに骨格筋分化誘導時におけるユビキチン修飾を調べるためにin vivoにおけるユビキチンアッセイを試みている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ユビキチンリガーゼの生理的な役割を明らかにするためにはその標的となる基質タンパク質の同定が必須である。本年度の解析結果から機能未知ユビキチンリガーゼFODの標的タンパク質として骨格筋分化に関わるタンパク質を同定できているため、研究計画と照らし合わせて上記のように判断できると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後はFODと骨格筋分化に関わるタンパク質の結合様式(結合部位や分化誘導刺激依存性など)や試験管内ユビキチンアッセイ、FODノックアウトマウスの解析、FODによって制御されるシグナル伝達経路の探索を行う。

次年度使用額が生じた理由

想定していたよりも安価で研究を進めることができたため次年度使用額が発生した。
また、2019年度より異動したため、安全キャビネットなど必要な備品を購入し研究を続ける。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ISG15 修飾2018

    • 著者名/発表者名
      奥村 文彦
    • 雑誌名

      生体の科学

      巻: 69( 5 ) ページ: 462─463

  • [雑誌論文] Insulin-like growth factor 1 receptor stabilizes the ETV6-NTRK3 chimeric oncoprotein by blocking its KPC1/Rnf123-mediated proteasomal degradation2018

    • 著者名/発表者名
      Tognon, C. E., Rafn, B., Cetinbas, N. M., Kamura, T., Trigo, G., Rotblat, B., Okumura, F., Matsumoto, M., Chow, C., Davare, M., Pollak, M., Mayor, T., and Sorensen, P. H.
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 293 ページ: 12502-12515

    • DOI

      10.1074/jbc.RA117.000321.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] The HECT-type ubiquitin ligase Tom1 contributes to the turnover of Spo12, a component of the FEAR network, in G2/M phase2018

    • 著者名/発表者名
      Nakatsukasa, K., Sone, M., Alemayehu, D. H., Okumura, F., and Kamura, T.
    • 雑誌名

      FEBS letters

      巻: 592 ページ: 1716-1724

    • DOI

      doi: 10.1002/1873-3468.

    • 査読あり
  • [学会発表] セレン(Se)によるユビキチン化抑制と小胞体ストレス応答効率化メカニズムの解明2019

    • 著者名/発表者名
      奥村 文彦
    • 学会等名
      第2回ユビキチン研究会
  • [学会発表] ユビキチンリガーゼSPSB4はEphB2を介した細胞間反発運動を抑制する2018

    • 著者名/発表者名
      奥村 文彦、奥村(城尾) 晶子、小原 圭介、Alexander Petersen、錦見 昭彦、福井 宣規、 中務 邦雄、嘉村 巧
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会

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公開日: 2019-12-27  

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