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2019 年度 実施状況報告書

コラーゲン細胞内輸送機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K06214
研究機関京都大学

研究代表者

細川 暢子  京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (00263153)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードコラーゲン / 細胞内輸送 / 小胞体 / ゴルジ装置 / 蛍光タンパク質 / 小胞輸送 / ライブセルイメージング
研究実績の概要

コラーゲンはヒトなどの脊椎動物では体を支えるために必要なタンパク質で、骨や軟骨、皮膚などをはじめ、体の構成成分として最も多く産生されるタンパク質である。コラーゲンは小胞体内で生合成され、3本の鎖が集まって棒状の分子を形成した後に細胞外へと分泌される。通常の分泌タンパク質は小胞体からゴルジ装置へ輸送される際には、直径約60 - 80 nmの大きさのCOPII小胞によって輸送されるが、3本鎖を形成したコラーゲン分子の長径は約300 - 400 nmと大きく、COPII小胞に入ることができないと考えられ、どのようにして細胞内で輸送されているのかについては謎であった。近年になって一部のコラーゲンについて新しい輸送機構が報告されつつあるものの、まだまだ未解明な点が多い。また、コラーゲン分子を可視化して、ライブイメージング法を用いて解析を行った報告はほとんど無い。そこで本研究においては、蛍光タンパク質を付加することによってコラーゲン分子を可視化し、コラーゲンがどのようにして細胞内輸送されるのか、その機構の解明を行った。コラーゲンには性質の異なるいくつものタイプが存在するが、代表的な線維形成性III型コラーゲン、基底膜形成性IV型コラーゲン、および短鎖X型コラーゲンについて解析した。
GFP-コラーゲンを作製し、蛍光顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡を用いたライブイメージングを行って、これらのGFP-コラーゲンが通常のコラーゲンと同様の細胞内挙動を示し、細胞外に分泌されて繊維状構造を形成することを確認した。小胞体で生合成されたコラーゲンがどのようにしてゴルジ装置まで輸送されるのか、輸送小胞の形態学的な観察を行った。また、小胞体からゴルジ装置間の輸送に関与する分子についてもノックダウン法を用いて解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3種類のGFP-コラーゲンを作製し、細胞に発現させて、GFP-コラーゲンが小胞体からゴルジ装置間においてどのように輸送されているかについて、共焦点蛍光顕微鏡を用いて観察した。また生化学的手法を用いて、コラーゲン輸送に必要とされる因子についても解析した。IV型コラーゲンに関しては、これらの結果をまとめ、論文として学術雑誌に投稿し、現在リバイズ実験中である。III型コラーゲンに関しても論文投稿準備を進めている。

今後の研究の推進方策

投稿論文に関するリバイズ実験を行って、論文受理に向けて研究を進める。III型コラーゲンに関しても論文にまとめる。さらにX型コラーゲンについても研究を推進し、これらコラーゲンの細胞内輸送機構を解析する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] SDF2-like protein 1 (SDF2L1) regulates the endoplasmic reticulum localization and chaperone activity of ERdj3 protein.2019

    • 著者名/発表者名
      Hanafusa K, Wada I, Hosokawa N
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 294 ページ: 19335-19348

    • DOI

      10.1074/jbc.RA119.009603

    • 査読あり
  • [学会発表] ライブイメージング法を用いたIII型コラーゲン細胞内輸送メカニズムの解析.2019

    • 著者名/発表者名
      平田幸大、松井優人、和田郁夫、細川暢子
    • 学会等名
      第19回日本蛋白質科学会年会、第71回日本細胞生物学会大会 合同年次大会
  • [学会発表] SDF2L1はERdj3の小胞体局在に必須であり、ERdj3のシャペロン活性を増幅する.2019

    • 著者名/発表者名
      花房賢、細川暢子
    • 学会等名
      第19回日本蛋白質科学会年会、第71回日本細胞生物学会大会 合同年次大会
  • [図書] In vitro Mannosidase Assay of EDEMs: ER Degradation-Enhancing alpha-Mannosidase-Like Proteins (N. Hosokawa). In “Lectin Purification and Analysis: Methods and Protocols” (Ed. J. Hirabayashi)2020

    • 著者名/発表者名
      Ed. J. Hirabayashi
    • 総ページ数
      699
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      978-1-07-160429-8
  • [備考] 京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 年報

    • URL

      https://www.infront.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2019/10/db4028a015db3e794cb8e5fa5aa0afb0.pdf

  • [備考] 京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 細胞機能調節学分野

    • URL

      https://www.infront.kyoto-u.ac.jp/research/lab11/

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公開日: 2021-12-27  

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