研究課題
基盤研究(C)
小胞体は、インスリンなどの分泌タンパク質、また膜タンパク質を合成する場である。その合成の際には、一定量の不良タンパク質が産生されるため、それを分解する機構が存在している。その分解機構の特徴として、小胞体の分解基質を小胞体膜を通過させて細胞質のプロテアソームによって分解することが挙げられる。本研究では、小胞体内腔から小胞体膜へと分解基質をリクルートする分子メカニズムを中心に解析を行ない、OS9とXTP3Bという分子が重複した機能を果たしていることを明らかにできた。
細胞生物学
本研究成果は、小胞体の構造異常タンパク質がどのように分解されるかを明らかにすることを主眼としている。その成果として糖鎖依存分解経路の中心因子であるOS9とXTP3Bの機能的な重複が分かった。これにより、アルツハイマー病やパーキンソン病をはじめとする60以上ものヒトの疾患と関わると報告されたこの小胞体関連分解機構の分子メカニズムの一端を明らかにすることができた。将来的に、ヒト疾患への新たな治療法や予防法につながる可能性がある。