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2019 年度 実施状況報告書

HB-EGF-HSPG-ErbB4シグナル系の導入によるがん細胞増殖抑制法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K06218
研究機関大阪大学

研究代表者

岩本 亮  大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (10213323)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード細胞増殖因子
研究実績の概要

HB-EGFはEGFファミリーに属するヘパリン結合性の増殖因子である。HB-EGFはその受容体としてEGFR(ErbB1)あるいはErbB4に結合し、これらを発現する細胞にシグナルを伝達する。HB-EGFは種々の癌において細胞増殖促進因子として機能することが知られている。一方で、HB-EGFはマウス心臓弁形成過程で弁間質細胞に対して、逆に増殖抑制因子として機能しており、この増殖抑制シグナル伝達には、弁間質内の細胞外マトリックスにおいてHB-EGFとヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)との相互作用が必須であること、そしてこの時HB-EGFの受容体としてErbB4が機能していることが、本研究申請者らによるこれまでの研究から明らかとなった。そこで本研究ではこれらの知見を基に、HB-EGFが発現し増殖促進因子として機能しているがん細胞に対し、HSPG及びErbB4を導入することで、細胞を増殖させているHB-EGFそのものを増殖抑制因子に転換し増殖を阻止する事を目的とし、従来の分子標的治療とは全く異なる新規な戦略に基づくがん治療法の開発をめざす。
本年度は、HSPG導入によるHB-EGFのErbB4受容体結合選択性転換とその分子機構の解析を目的として、前年度樹立した、野生型あるいはHSPG欠損CHO(677)細胞へのErbB4の4種類の各サブタイプ(JMa/CYT1, JMb/CYT1, JMa/CYT2, JMb/CYT2) あるいはEGFRの導入発現細胞を用いて、HB-EGF結合性比較実験により、HB-EGFのEGFRあるいはErbB4に対する結合選択性におけるHSPGの貢献度を検討する予定であったが、HB-EGF結合性を評価する実験系に修正を要する問題が発生し、この問題解決に現在取り組んでいるところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初計画では、樹立した各細胞株を用いて、HB-EGF結合性比較実験により、HB-EGFのEGFRあるいはErbB4に対する結合選択性におけるHSPGの貢献度を検討する予定であったが、HB-EGF結合性を評価する実験系に技術的問題が生じ、この問題解決に現在時間を要しているため。

今後の研究の推進方策

今後は計画しているHB-EGF結合性評価、増殖性試験、細胞内シグナル解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

(理由)当初計画していたHB-EGF結合性試験解析の遅延によって、予定していたいくつかの実験が次年度繰越となり、それに伴って執行予算に繰越が生じることとなった。
(使用計画)当初予定通り、次年度繰越のHSPG依存性HB-EGF-ErbB4/EGFR結合性・増殖性解析と共に、細胞内ErbB4下流シグナル解析も行うための予算として使用する計画である。

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公開日: 2021-01-27  

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