本研究によって、細胞間の接着力の違いにもとづく形態形成の素過程のメカニズムの一端が明らかになり、新しい細胞選別モデルを提示することができた。これによって、形態形成メカニズムの理解が進み、細胞が自律的に様々な組織をつくるという生物学の根本原理の解明に貢献できる。また、組織や器官で細胞の配置の異常に伴う様々な疾患の理解にもつながる。本研究で得られた知見をもとに、生体内の組織を構成する多様な細胞間の相互作用に対する理解を深めれば、より複雑な細胞パターンとともに組織構造を自律的に作らせることも容易になるだろう。
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