研究実績の概要 |
2019年度は、アフリカツメガエル の飼育装置を設計・設置し、アフリカツメガエルを購入してライブイメージングを開始する環境を整えた。 また、アフリカツメガエルで細胞間接着および収縮環に局在するフォルミンとして同定したDia1, Dia2, Dia3, Fhod1, Fhod3について、培養MDCK上皮細胞で検討を進め、Fhod3以外の4分子が発現していることを明らかにした。そこで、これら4因子についてCRISPR/Cas9法を用いてノックアウト細胞株を樹立した。さらに、Dia1の細胞間接着局在責任領域を恒常的に発現する細胞を作成し、結合因子を共免疫沈降法によって単離した。質量分析によって同定したところ、Dia2であることが分かった。Dia2もDia1と同じくタイトジャンクションに局在するため、両者が協調してタイトジャンクションへの局在を規定している可能性について検討を進めている。 また、細胞間接着装置の一つである密着結合においてアクチン細胞骨格制御因子が果たす役割を解明するために申請者が開発したバリア機能アッセイ系ZnUMBA(Stephenson RE et al., Dev Cell, 2019)は、これまでカエル、魚、マウスなどの胚でしか成功例がなかったが、培養法を工夫した上で試薬濃度などの条件の検討を行い、培養上皮細胞でも安定してバリア機能の破綻を鋭敏に検出できるようになった(論文投稿準備中)。
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