現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分裂酵母では非必須遺伝子約3,500の遺伝子破壊株セットが作製されている。この株のうちで胞子細胞膜形成に欠損がみられるものを網羅的に解析し、Dms1を同定した。Dms1は膜貫通ドメインを持つ機能未知のタンパク質であった。dms1破壊株で胞子細胞膜は全く形成されなかったことから、Dms1は胞子細胞膜形成開始に必須であることがわかった。Dms1にGFPを付加し、その局在を観察した結果、栄養増殖時からSPBに観察された。また、核膜にも弱いながらシグナルが見られた。MOP構成因子であるSpo15, Spo2, Spo13はdms1の遺伝子破壊株ではいずれもSPBに観察出来なかった。逆にspo15, spo2, spo13の遺伝子破壊株ではDms1は SPBに局在できた。Dms1のC末端にある膜貫通ドメインを削った変異タンパク質はSPBに局在できなかった。逆に膜貫通ドメインだけでもSPBに局在することができた。以上のことから、Dms1は膜貫通ドメインを介して核膜に局在し、N末端側でMOP構成因子と相互作用し、これらをSPBにとどめている可能性が示唆された。
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