本研究により、分裂酵母中心体からの胞子細胞膜形成の分子メカニズムが一部明らかになった。具体的には、膜形成時にSPBに新たに形成されるMOPという構造がSpo15という巨大なコイルドコイルタンパク質によって行われていることを明らかにした。とくに、Spo15が真核生物で高く保存されているCa2+結合タンパク質カルモジュリンと結合し、Ca2+/カルモジュリン依存的にSPBに局在するという結果は、単に分裂酵母の胞子細胞膜形成開始のメカニズムだけでなく、中心体からの膜形成にCa2+シグナルが関わるという重要な知見が得られ、膜形成開始のメカニズムの研究に重要な知見を与えうると考えてられる。
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