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2020 年度 実績報告書

核膜タンパク質LINC複合体を介する核膜情報流通システムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K06226
研究機関愛媛県立医療技術大学

研究代表者

檜枝 美紀  愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (00380254)

研究分担者 東山 繁樹  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード核膜 / 細胞核 / 核 / SUN / nesprin / lamin / 細胞接着装置 / ゴルジ体
研究実績の概要

核膜内膜を貫通するSUNと、核膜外膜を貫通するnesprinは核膜間腔で結合し、LINC複合体を構成する。SUNは核内でクロマチンなどの核骨格と結合し、nesprinは細胞質においてアクチン骨格や微小管モーター等と結合する。私たちは 「核膜を貫通し、核と細胞質を物理的に繋ぐLINC複合体が、核―細胞質間の情報を両方向に伝達する」という仮説を立て、その仮説を検証することを目的として研究を進めてきた。その結果、下記3点の成果を得た。
SUN1タンパク質はSUN1遺伝子から10種類以上のスプライシングバリアントが組織特異的に発現する。広範囲に発現するSUN1_888とSUN1_916はヒストン翻訳後修飾の分布に異なる影響を与え、定常状態の核小体構築には両者が必要であること、一方nesprin-1とnesprin-2は核小体構築において重複する機能を持つことを明らかにした(Satomi et al., Gene to Cells, 2020)。
SUN1タンパク質の発現抑制により、ゴルジ体が細胞質に分散することを発端として解析を進め、SUN1/nesprin-2 LINC複合体が形成される状況下では、ゴルジ体は核近傍に集積すること、一方SUN1非存在時にはSUN2/nesprin-2 LINC複合体が形成され、KIF20Aの働きにより、ゴルジ体が細胞質に分散することを明らかにした(Hieda et al., Sic. Rep., 2021)。
SUN1ノックアウト細胞では細胞牽引力が低下すること、SUN1の発現抑制により、RhoA-GTPの存在量は変化しないが、beta-actin 転写量が低下し、F-actinが減少すること、FAの成熟が抑制されること等を見出した。これらの現象は、細胞外からの力刺激に応答した、LINC複合体によるアクチン骨格制御の可能性を示唆する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The SUN2-nesprin-2 LINC complex and KIF20A function in the Golgi dispersal2021

    • 著者名/発表者名
      Hieda, M. *, Matsumoto, T., Isobe, M., Kurono, S., Yuka, K., Kametaka, S., Wang, J.Y., Chi, Y.H., Kameda, K., Kimura, H., Matsuura, N., Matsuura, S.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 11 ページ: 5358

    • DOI

      10.1038/s41598-021-84750-4.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The SUN1 splicing variants SUN1_888 and SUN1_916 differentially regulate nucleolar structure2020

    • 著者名/発表者名
      Satomi, E., Ueda, M., Katahira, J., Hieda, M.
    • 雑誌名

      Genes to Cells

      巻: 11 ページ: 730-740

    • DOI

      10.1111/gtc.12807.

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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