老化研究のモデルとして広く活用されている出芽酵母では、母細胞と娘細胞に非対称に分裂するとき、母細胞は分裂回数に伴い老化していく。細胞の老化には、両細胞間での様々な細胞内成分の不均等性が関連していることが知られている。なかでも、様々なタンパク質の質的な不均等性の蓄積も、老化に深く影響しうることが分かってきた。本研究では、分裂回数とともに老化していく母細胞に、どのような分子が古いタンパク質として蓄積していくのかを調べた。とくに、寿命が異なる細胞どうしでは不均等に蓄積する古いタンパク質が異なることが明らかとなり、そうした古いタンパク質の不均等性は細胞老化へ関連することが示唆された。
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