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2019 年度 実施状況報告書

分子ダイナミクスの定量・操作と数理モデリングによる中心体複製メカニズムの理解

研究課題

研究課題/領域番号 18K06233
研究機関東京大学

研究代表者

高尾 大輔  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10548811)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード中心体複製 / 超解像顕微鏡法 / 数理モデリング / 自己組織化
研究実績の概要

中心体は動物細胞に保存された重要なオルガネラであり、細胞周期に一度だけ複製され、分裂後の細胞に均等に分配される。染色体複製と同様にこの複製プロセスは非常に重要であるが、分子メカニズムは未解明な部分が多い。我々の最近の研究成果を基に、分子ダイナミクスの観点から中心体複製を制御する分子メカニズムを明らかにすることが、本研究の目的である。そのため、関連分子のダイナミクスにより中心体複製プロセスが制御されるというモデルを仮定し、検証した。1)STED超解像イメージングによる中心体複製因子の空間パターンの可視化と定量、2)データ駆動型の数理モデリングによるシミュレーション解析、によって前年度得られたデータを統合し、論文として発表した(Takao et al, JCB, 2019)。微小空間における分子ダイナミクスによって緻密な空間パターンが形成されるという理論を提唱した。組織・細胞レベルで普遍的に見られる自己組織化メカニズムが分子スケールでの細胞機能制御にも関わっていることを新たに示すモデルである。また、ここではマスター制御因子であるPlk4に主に着目したが、さらにその他の重要因子についても解析を進め、複雑な分子相互作用ネットワークによる制御メカニズムを明らかにした。複数の主要分子のダイナミックな挙動とフィードバック制御メカニズムによる複雑なシステムを構成しているという仮説を支持する成果が得られた。その成果も論文として発表した(Takao et al, Biol Open, 2019)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究の目的である中心体複製の分子メカニズム解明に向けた大きな成果が得られ、研究期間半ばにしてすでに2報の査読付き論文発表につながったため。

今後の研究の推進方策

計画通りの研究を進めつつ、アプローチ開発の部分についてはより完成度を高められるよう重点的に進める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A theory of centriole duplication based on self-organized spatial pattern formation2019

    • 著者名/発表者名
      Takao Daisuke、Yamamoto Shohei、Kitagawa Daiju
    • 雑誌名

      Journal of Cell Biology

      巻: 218 ページ: 3537~3547

    • DOI

      10.1083/jcb.201904156

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Feedback loops in the Plk4-STIL-HsSAS6 network coordinate site selection for procentriole formation2019

    • 著者名/発表者名
      Takao Daisuke、Watanabe Koki、Kuroki Kanako、Kitagawa Daiju
    • 雑誌名

      Biology Open

      巻: 8 ページ: bio047175

    • DOI

      10.1242/bio.047175

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 細胞内微細構造ダイナミクスの定量イメージング2020

    • 著者名/発表者名
      高尾大輔、長尾幸子、岡田康志
    • 学会等名
      第125回日本解剖学会総会・全国学術集会(COVID-19感染拡大の影響により誌上開催)

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公開日: 2021-01-27  

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