分化誘導が可能な種々の培養細胞で、importinα/βファミリー輸送因子の発現量を免疫ブロット法により解析し、顕著な発現変動が見られた単球由来THP-1細胞のマクロファージ様細胞への分化過程のプロテオミクス解析を行った。分化前後の総/核蛋白質の定量質量分析の結果、分化後の核内では蛋白質分解に関与する蛋白質が増加し、DNA 合成や染色体構築に関わる蛋白質は減少していた。この過程で発現上昇するimportinα5をsiRNA導入により発現抑制したTHP-1細胞の分化前後の総/核蛋白質を同様に定量し、この過程でimportinβ/importinα5により核内輸送される蛋白質の候補を同定した。
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