研究課題
ParkinとPINK1は膜電位の低下した損傷ミトコンドリアを検知して、その外膜タンパク質にポリユビキチン鎖を付加する。PINK1はユビキチンをリン酸化するキナーゼであり、Parkinはリン酸化ユビキチンによって活性化するRBR型のE3リガーゼである。そのため、Parkinとリン酸化ユビキチンとPINK1は損傷ミトコンドリア上で正のフィードバックループを形成し、ユビキチン化反応を促進していると考えられる。このユビキチン化反応には、E1酵素やE2酵素も必須である。しかし、E2酵素はヒトでは30種類以上がコードされているため、どのE2酵素がParkinを活性化するために必要かは詳しく解析されていない。特にE2酵素の場合は機能の重複が考えられるため、従来汎用されてきたノックダウンやノックアウトの実験系では解析に限界がある。そこで本研究では、活性化型Parkinと相互作用したときのみ蛍光輝点を形成する実験系を開発し、E2酵素の網羅的な同定を行った。その結果、従来考えられていたよりも多くのE2酵素が損傷ミトコンドリア上でParkinと相互作用することがわかった。また同定されたE2酵素とともに、Parkin、PINK1、E1酵素を大腸菌のゲノムに組み込む準備を行なった。さらに同定されたE2酵素は、in vitro実験系でParkinと相互作用し、単離ミトコンドリアをユビキチン化できることを確かめた。またこの実験系を発展させ、Parkin以外のRBR型E3リガーゼにも応用して、いくつかのE3についてはこれまでに報告のない活性化パターンを見出している。
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