研究実績の概要 |
令和3年度は研究結果をまとめ、論文として投稿するために実験結果を整理し、またその詳細な定量的解析を行った。さらに論文投稿のプロセスとして査読に対応するための実験も行った。論文(タイトル: Tiling mechanisms of the Drosophila compound eye through geometrical tessellation)はいくつかの雑誌から掲載を拒否され、受理されるまでにかなりの時間がかかったが、最終的にCurrent Biologyに受理された。査読の過程ではショウジョウバエ複眼の専門家や数理生物学の専門家と思われる査読者から多岐にわたる要求がなされため、文章の書き直しに加え、野生型及び小眼変異体(unpaired, UAS-RNAi(eya+so)/mirr-GAL4)の複眼サイズや個眼の個数を走査電顕写真をもとに複数の成虫複眼に関して計測し、また個眼の周囲長や個眼面積などについても蛹期や成虫期において野生型及び小眼変異体に関して複数の複眼について行い、その平均値や分散を求めた。さらにそれらのデータをもとに個眼の円形度や個眼の成長速度の計算などを行った。Laser ablationによる張力の測定実験に関してもその結果の詳細な定量解析を行い、また個眼の配置や個眼間の間隔などについても定量的な解析を行った。コンピュータシミュレーションに関してはバーテックスモデルでは張力の存在下においても四角形パターンが安定化しないことを詳しく調べた。
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