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2023 年度 実績報告書

細胞運命決定のタイミングを制御する分子タイマーの実体と時間制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 18K06254
研究機関大阪大学

研究代表者

下條 博美  大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教 (40512306)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード細胞分化 / 神経発生 / 神経幹細胞
研究実績の概要

マウス神経発生過程において、神経幹細胞からニューロンが生み出される過程では非対称分裂によってその中間段階の細胞intermediate progenitor cellを生み出し、intermediate progenitorが分裂してニューロンが分化する。この細胞分裂を伴った細胞分化は、細胞の形態的にも遺伝子発現的にも不連続であると考えられていたが、最近の単一細胞RNA配列解析では神経分化の過程で神経幹細胞において徐々にintermediate progenitorで発現する遺伝子の発現が開始されており、連続的な過程であることが考えられたがその分子機構は不明な点が多い。
NotchシグナルのエフェクターであるHes1遺伝子は神経幹細胞において発現が振動し、その下流遺伝子であるプロニューラル遺伝子Neurog2も発現が振動している。Neurog2の下流遺伝子であり、intermediate progenitorで発現するTbr2はNeurog2の発現振動によって発現誘導され、神経幹細胞においてTbr2タンパクは徐々に蓄積していくことがライブイメージングによって明らかとなった。またTbr2はNotchシグナル分子あるRBPjと相互作用することによって、Notchシグナルの活性を下げHes1の発現を抑制することが明らかとなった。神経幹細胞においてTbr2を発現誘導するとHes1の発現が低下し、Tbr2ノックアウトマウスにおいては神経幹細胞においてHes1の発現上昇がみられることから、神経幹細胞からintermediate progenitorが生み出される過程においては、Neurog2の発現振動に伴ったTbr2タンパクの蓄積がHes1の発現低下を引き起こす重要な機能を果たしていることが考えられた。これらの結果はDevelopmental Cell誌に投稿し受理され掲載予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The Neurog2-Tbr2 axis forms a continuous transition to the neurogenic gene expression state in neural stem cells2024

    • 著者名/発表者名
      Shimojo H, Masaki T, Kageyama R.
    • 雑誌名

      Dev. Cell

      巻: 59 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1016/j.devcel.2024.04.019

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Biological Significance of the Coupling Delay in Synchronized Oscillations.2023

    • 著者名/発表者名
      Kageyama R., Isomura A., Shimojo H.
    • 雑誌名

      Physiology (Bethesda)

      巻: 38(2) ページ: 63-72

    • DOI

      10.1152/physiol.00023.2022

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dynamic transcriptional control of neural stem cells2023

    • 著者名/発表者名
      Kageyama R., Shimojo H.
    • 雑誌名

      Neocortical Neurogenesis in Development and Evolution

      巻: ch6 ページ: 107-118

    • DOI

      10.1002/9781119860914.ch6

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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