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2019 年度 実績報告書

リボソーム取り込みによる多分化細胞誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K06263
研究機関熊本大学

研究代表者

伊藤 尚文  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特別研究員 (60732716)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード細胞初期化 / 初期発生 / リボソーム / 微生物 / 進化
研究実績の概要

本研究ではリボソームを外部から細胞に導入することで細胞塊を形成し多分化能を誘導する。大腸菌由来のリボソームをマウス胚性線維芽細胞に添加すると細胞塊が形成され、多能性マーカーであるNanogやOct4の発現が免疫染色によって確認された。このマウス細胞塊での多能性マーカーの発現はモザイクパターンであり、ヒト皮膚繊維芽細胞で作出した細胞塊と同じであった。さらにこの細胞塊を胚性幹細胞(ES細胞)の培養条件に近い培養液で培養すると、細胞塊周辺に通常の細胞と比較して小さい細胞(小細胞)が出現した。この小細胞は免疫染色でOct4a陽性であったが、細胞核だけでなく細胞質にも発現がみられる、核構造にも変形が見られた。
細胞塊自体は細胞増殖が停止していることから細胞周期に関する解析を行った。細胞周期阻害剤を細胞塊形成時に添加し、細胞増殖の進行を確認した結果、G1期あるいはG0期に以降するプロセスを阻害すると細胞塊形成が阻害されることがわかった。また、リボソームタンパク質は細胞核においてp53-MDM2に制御される細胞周期の制御に関与していることが知られているため、外部から入れたリボソームの結合とp53経路の発現解析を行った結果、p53-MDM2経路のタンパク質の結合し、p53の分解を阻止していることがわかった。さらに細胞内部での消化プロセスをオートファジーマーカーの発現から調べた結果、オートファジー活性の増加も確認され、細胞の分化能転換にp53経路とオートファジーが関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Mammalian cells acquire cellular lineage plasticity by incorporating ribosomes2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤尚文
    • 学会等名
      第52回日本発生生物学会
  • [備考] 熊本大学 大学院生命科学研究部 神経分化学分野

    • URL

      http://srv02.medic.kumamoto-u.ac.jp/dept/devneuro/

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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