研究課題/領域番号 |
18K06269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
木下 勉 立教大学, 理学部, 教授 (30161532)
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研究分担者 |
堅田 智久 杏林大学, 医学部, 助教 (10527229)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心筋再生 / 心筋前駆細胞 / Islet-1遺伝子 / 転写制御 / HIF1α / 種間比較 |
研究成果の概要 |
成体になっても心筋再生が可能なツメガエルと心筋を再生できないマウスの間で、心筋前駆細胞の制御遺伝子Islet1の転写調節機構を比較解析した。ツメガエルでは心筋切除術後1日目にIslet1とHIF1αの遺伝子発現が上昇した。Islet1の転写制御に関わるHIF1αの作用点は、Islet1遺伝子の上流に存在する8番目の保存領域(MCR8)に存在していた。マウスやヒトではMCR8に存在しているHIF1α結合モチーフが失われていた。 以上の結果から、HIF1α結合モチーフの位置や方向における動物種間の違いがIslet1の転写機能の違いの原因である可能性が示唆される。
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自由記述の分野 |
発生生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、心筋損傷により誘導されるHIF1αがIslet1遺伝子の転写誘導に必須であることが明らかになった。また、マウスでもカエルと同様に、心筋の損傷直後にHIF1αの発現誘導が起こるものの、HIF1αが作用すると考えられるIslet1のプロモーター領域からHIF1αの結合モチーフが欠失していることがわかった。 これらの研究結果により、哺乳動物の成体心臓にはIslet1細胞が存在しているものの、分裂能を失っている理由の一つが明らかになったといえる。これらの結果は、今後、哺乳類の心筋において組織再生への糸口を与える重要な知見と思われる。
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