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2022 年度 実績報告書

クレブソルミディウムのTIR1を介さないオーキシン応答を誘導する転写因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 18K06280
研究機関東京工業大学

研究代表者

堀 孝一  東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (70453967)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード植物進化 / 藻類 / クレブソルミディウム / オーキシン / ストレプト藻類
研究実績の概要

陸上植物においてオーキシンは細胞の伸長や分裂、屈性の制御など植物の形態形成や環境応答に深く関わる重要な植物ホルモンの一つであり、陸上植物植における情報伝達の主要な因子が明らかにされている。しかしながら、このオーキシン情報伝達機構が進化の過程でどのように構築され、複雑な形態形成や環境応答を可能にしたのか明らかではない。
研究代表者は、ストレプト藻類クレブソルミディウムにおけるオーキシン情報伝達機構を明らかにすることでオーキシン情報伝達機構の進化過程の解明を試みている。ストレプト藻類は陸上植物に近縁の藻類であり、陸上植物の成り立ちを明らかにする上で重要である。以前、研究代表者らはクレブソルミディウムは陸上植物とは異なるオーキシン情報伝達経路経路を用いている事を報告した。この機構を明らかにすることで、陸上植物型のオーキシン応答が誕生する前のオーキシン応答機構の解明が期待される。本研究ではその手がかりを得るために、クレブソルミディウムのオーキシン情報伝達因子の同定を試みた。
まず、クレブソルミディウムのオーキシン応答に関連するシスエレメント配列の予測を行い、DNA結合配列としてB3ドメインを持つ転写因子がその応答に関与することを推測した。その中からレポーターアッセイによりKnRAV転写因子を絞り込み、その結合配列と一次応答遺伝子を決定した。その結果、KnRAVがクレブソルミディウムのオーキシン応答遺伝子の発現制御に関与している可能性が高い事を明らかとなった。
このKnRAVはDNA結合配列にB3およびAP2ドメインを持ち、陸上植物においてオーキシン応答に関わるPB1ドメインも持っている。このドメインの組み合わせを持つタンパク質は、いくつかのストレプト藻類とゼニゴケに存在し、陸上植物のオーキシン応答の起源を明らかにする上で重要な手がかりとなる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Cis-regulatory elements and transcription factors related to auxin signaling in the streptophyte algae Klebsormidium nitens.2023

    • 著者名/発表者名
      Tounosu N., Sesoko K., Hori K., Shimojima M., & Ohta H.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1038/s41598-023-36500-x

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 植物の陸上進出と乾燥ストレス応答機構の発達2022

    • 著者名/発表者名
      堀孝一
    • 雑誌名

      光合成研究

      巻: 32 ページ: 170

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] シス調節配列解析にもとづくストレプト藻類 Klebsormidium nitens におけるオーキシン誘導性遺伝子発現に関わる転写因子の探索2023

    • 著者名/発表者名
      唐司典明,瀬底かなみ,堀孝一,下嶋美恵,太田啓之
    • 学会等名
      第64回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] ストレプト藻類 Klebsormidium nitens の乾燥応答におけるABI3 様転写制御因子の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      三木健,堀孝一,唐司典明,下嶋美恵,太田啓之
    • 学会等名
      第64回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] 植物の陸上進出と乾燥ストレス応答機構の発達2022

    • 著者名/発表者名
      堀孝一
    • 学会等名
      第12回日本光合成学会年会およびシンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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