本研究では、大型のミトコンドリア核様体を持つ真正粘菌から単離したミトコンドリア内のDNA分解を顕微鏡で観察することでDNase 活性を検出するsemi-in vitroアッセイ系を開発し、母性遺伝に関与するDNaseの性質を調べた。その結果、父方ミトコンドリアDNA(mtDNA)分解時にマグネシウムイオン要求性で、かつpH7.7で最大の活性をもつDNaseが検出された。また、父方mtDNA分解時にミトコンドリア内膜の崩壊は起きていなかった。さらに、化学染色試薬を用いて父方と母方のミトコンドリアを識別し、父方mtDNA分解開始直後に母方のミトコンドリアが急速に増加することを明らかにした。
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