本研究によって,これまでブラックボックスであった干潟生態系における真核微生物の多様性が明らかとなり,当該生態系全体をより詳細に把握することが可能となった。干潟には優れた水質浄化機能や防災機能があるだけではなく,潮干狩りやバードウォッチング/散策の場として人間社会と密接なつながりがあり,世界,国,地方自治体,NPO法人等,様々なレベルでその保全活動が行われている。しかし,そうした活動では人間の目に見える動植物のみを対象としている場合が圧倒的に多い。本研究で得られた成果を学術コミュニティーだけではなく一般社会にも発信することは,干潟生態系をより正確に把握した保全活動の提言にもつながる。
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