系統的に異なるヒサカキとネズミモチの環境適応に関する共通の変化を明らかにすることで、木本植物の環境適応に関する一般性を示すことができると考えられるために、本研究ではヒサカキとネズミモチの形態学的および解剖学的解析を行った。その結果、葉の変化として渓流型では葉の矮小化・葉の肥厚化・細胞数の減少・気孔密度の上昇といった変化が、蛇紋岩型では葉の肥厚化・気孔面積の縮小といった変化が共通として見られた。これらの結果から、ヒサカキとネズミモチは同一種内において形態や細胞を異なる環境に合わせて変化させていることが示され、木本植物の環境適応に関する共通性を見出すことができた。
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