研究成果の概要 |
瀬戸内海島嶼に生息するアカネズミを対象に、ミトコンドリアDNA Dloop領域およびチトクロームb遺伝子の塩基配列を決定し、類縁関係を推定したところ、各島嶼の個体は単系統を形成したが、島間の関係性は不明瞭であった。次に、MIGseq法とGRAS-Di法により得られたそれぞれ11,205 SNPsと94,142 SNPsに基づき類縁関係を推定したところ、高い信頼度で各島の個体の単系統性と島間の関係性が明らかとなった。この類縁関係は地理情報システムにより推定された瀬戸内海の古代河川と完全に一致した。このことは瀬戸内海島嶼のアカネズミの遺伝的分化は、古代河川により引き起こされたことを強く示唆する。
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