Babesia microtiは約6億年前に ピロプラズマ目(赤血球に感染し、ダニが媒介する寄生虫)の他の原虫よりも早く共通祖先から分化した。日本で分離された複数のB. microtiゲノム解析から、そのサイズが約6.0Mbとアピコンプレックス門最小であること、僅かな真核生物種でしか見つかっていない~25ntの極小イントロンがゲノム全体に散在していること、特有のミトコンドリア構造をもつこと、これらは系統間で多様であることなどが明らかとなった。さらに解析を進めることで、原虫が効率の良い代謝・増殖能力を獲得し、環境変化に柔軟に適応してきたプロセスを、ゲノム進化から解明できる可能性が見えてきた。
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