現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ギボンのcallはDTMが高く、かつ林冠高が高い場所(高木の密度が高い場所など)(尾根部)から発生し、結果的に林冠表面高(DSM)が高い場所で頻発する傾向がみられることが分かった。また、データをさらに精査したところ、ギボンの発声頻度が高い場所は調査地内の尾根筋に集中する。これまでの先行研究や本課題の調査地内で「高径で突出木層に到達する樹木は尾根部に集中すること」が分かっており、地形との林冠木、突出木の関連を明瞭に示す結果となった。得られた成果は、熱帯林が有する林冠構造の維持か彼らの生息域の保全と行動に如何に重要であるかを生物多様性の視点から主張する重要な手がかりとなり得る。さらに、マレーシアやギボンの生息が確認できている地域での森林施業の際の一つの指標として提示することができる。また、林冠面で生活する特殊な霊長類のラピッドアセスメントとして応用可能である。成果を以下の論文としてまとめ、国際誌Biotropicaへ現在投稿中である(再査読中)。 Toshinori Okuda, Haruka Matsubara, Toshihiro Yamada, Wei Chuang David Chew, Alvin Meng Shin Lau, Jacquoelyne Paska, Hiromitsu Nishizaki, Nur Shifatil Ulya binti Sidek Omar, Mohamed Zakaria Bin Husin. Spatial distribution of white-handed gibbon calls in relation to forest vertical components, Malaysia
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