生きたアリ類の解剖と文献調査により、海外のアリを含む13亜科145属550種について、女王アリと働きアリの卵巣小管数を調査した。ハリアリ群の多くの種は有剣類の基本数である6本か8本であったが、ヤマアリ群女王アリでは多くの種がそれ以上の卵巣小管をもっていた。一方で中には2本や4本などに縮小した種もいた。ハリアリ群働きアリでは6本か8本が多かったが、ヤマアリ群では2本の種が大多数であった。多くの種類を飼育して行動を観察し、栄養卵産卵の有無やその利用の仕方を調査し、その多様性の実態を明らかにした。また、働きアリによるオス卵生産能力についても検討し、栄養卵生産能力との関係を検討した。
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