日本温帯域は造礁性イシサンゴ類が固有種5種を含め約150種が生息し、世界最北のサンゴ生息地である。その一方で台湾北部において日本固有種が生息している可能性も指摘されていた。そこで、本研究では、台湾と日本温帯域の交流の有無、日本固有種の新たな確認を確かめるため、日本温帯域と台湾北部のサンゴの種組成および系統分類学的を行った。その結果、台湾北部は日本温帯域とサンゴ相が極めて類似しており、さらに日本温帯固有種と考えられていた種を台湾北部で確認することができた。一方で、日本温帯域固有種も新たに発見することができた。以上のことから、台湾北部は日本温帯域のサンゴのソースである可能性が高まった。
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