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2020 年度 実施状況報告書

高山帯ガレ場に生息するヒバリ個体群の生活史適応と遺伝構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K06431
研究機関立教大学

研究代表者

上田 恵介  立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (00213348)

研究分担者 三上 修  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10404055)
白木 彩子  東京農業大学, 生物産業学部, 准教授 (20434011)
松井 晋  東海大学, 生物学部, 講師 (20727292)
森本 元  公益財団法人山階鳥類研究所, 自然誌研究室, 研究員 (60468717)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードヒバリ / 高山 / ガレ場 / スコリア地帯 / 貧栄養環境 / 吹上げ昆虫 / 繁殖生態 / 行動特性
研究実績の概要

2020年度は新型コロナウイルスによる移動の制約があったために、多くの野外調査はできなかったが、これまで調査を行なっていない屋久島宮之浦岳、白山室堂平・弥陀ヶ原と大山(3回目調査)において、ヒバリの調査を行なった。その結果、宮之浦岳と白山にはヒバリの生息は認められなかった。地形がゆるやかであるためにヒバリの生息が予想された白山室堂平(2420-2440m)・弥陀ヶ原(2320-2350m)は、草本植物と矮低木が密に茂る雪田植物群集が広がっており、植生的にヒバリの生息条件としては適さないことが明らかになった。屋久島宮之浦岳(1936m)では、ヒバリの生息に適する平地がないことと、緩斜面もササとシャクナゲ群落に密に覆われており、ここもヒバリの生息地にはならないことが明らかになった。また屋久島においては、平地部分の農地にもヒバリは生息せず、これまでの研究結果から、種子島が日本におけるヒバリの分布南限であることが明らかになった。前年度に行なった北海道樽前山に生息するヒバリ調査の結果を研究分担者である松井晋、白木彩子と伊藤洋平(北大大学院)とともに日本鳥学会の英文誌に掲載した。
現在、研究分担者(白木)の実験室において日本全国の各山系に生息するヒバリ個体群の核遺伝子の解析が進行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

日本各地の山系におけるヒバリ個体群の生息状況については、この研究期間の3年間に多くの地域について踏査することができ、過去に知られていない生息地の発見など、良い成果も上がってきた。遺伝構造の解明に関して、遺伝子解析作業が少し遅れているが、研究期間の延長が認められたため、今年度中に結果が出る予定である。

今後の研究の推進方策

2020年度が3年目で最終年度であったが、研究期間の延長が認められたため、2021年度中に結果が出る予定である。コロナ下で制約はあるが、これまでの成果の学会発表、論文発表を9月に開催される日本鳥学会の定期大会で発表する、また現在準備中の論文、この3年で明らかになった全国各地の高山ヒバリの新発見生息地についての論文、生息環境についての論文、ヒバリ生息地における鳥類群集の論文(これらは和文)を、2021年度中に公表する。

次年度使用額が生じた理由

研究分担者が東京農大で行うはずであった遺伝子解析に関わる実験が、コロナ下でのアルバイト学生の登校制限により、実施できなかったため。2021年度はこの実験を再開する。2021年度に延長した経費は、DNA解析のためのPCR, シークエンス解析のための試薬などの購入と、学生のアルバイト費用に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Habitat selection of Skylarks during the breeding season on the volcanic slope of Mt. Tarumae2020

    • 著者名/発表者名
      Yohei ITO, Shin MATSUI, Saiko SHIRAKI, and Keisuke UEDA
    • 雑誌名

      Ornithol Science

      巻: 19 ページ: 167-175

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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