京都大学霊長類研究所で継代飼育しているニホンザル集団に、指定難病であるライソゾーム病の一種であるムコ多糖症I型(MPSI)を引き起こすアルファ-L-イズロニダーゼ遺伝子変異が蓄積していること、MPSIの症状を示すサルがいることを発見した。MPSIの霊長類モデルはこれまで存在していなかった。酵素補充療法や遺伝子治療などの開発を進めるためにはMPSI霊長類モデル生産コロニーの確立が必要である。MPSI発生集団の家系解析、変異解析を実施し、モデル生産コロニー確立のための個体選定の基礎データを得た。脳や心臓に有効なMPSI酵素補充療法の開発を目指し、糖鎖改変ヒト型酵素の投与の予備実験を行った。
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