研究課題/領域番号 |
18K06443
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
岡崎 健治 鳥取大学, 医学部, 助教 (10632937)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 蒋庄遺跡 / 良渚文化 / 骨形態 / 同位体分析 / 長江デルタ / 新石器時代 / 稲作 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中国江蘇省蒋庄遺跡の240基から出土した新石器時代中期の人骨について、形態学と化学的分析を統合して、水田稲作起源地における人類集団の移動・拡散の実態をミクロの視点(個体単位)で解明することにある。2018年度については、8月に吉林大学辺境考古中心、古脊椎動物与古人類研究所、社会科学院考古研究所を訪問し、比較資料となる新石器から青銅器時代までの頭蓋を計測した。9月は、南京博物院江南工作所にて、連携研究者ら(高椋、覚張、板橋、米田)および海外研究協力者(朱)と調査を行った。まずはクリーニング済みの資料から着手し、歯冠エナメル質と骨のサンプリングを行い、その作業と並行して人骨カードの記載、歯冠計測、四肢骨計測を行った。サンプリングした資料は、人骨70点、人エナメル質51点、動物エナメル質18点であった。2-3月に再び南京博物院江南工作所にて、連携研究者ら(高椋、覚張、板橋、川久保、大野、富田)および海外研究協力者(朱)と調査を行った。人骨15点、人エナメル質60点、人歯石8点をサンプリングした。形態分析については、新たに3次元デジタイザーを用いた頭蓋計測と小変異の観察を追加した。9月の調査にてサンプリングした個体については、同位体分析済みであり、今のところ移入者や粟黍食者は検出されていない。形態分析については、データ未整理のため結果は保留とする。3月に金沢市で開催された国際シンポジウムにて海外研究協力者らと会い、来年度の調査について相談することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地における人骨調査の進度は計画を上回っている。ただし、対象遺跡の発掘報告書が未刊行であるため、考古学情報の入手については少し滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査での作業をこれまで通り進めていくと共に、比較データの整理を行う。
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