研究課題/領域番号 |
18K06445
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
藤田 祐樹 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究主幹 (50804126)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 旧石器時代 / 人類学 / 動物考古学 / 島嶼環境 / 適応 / 文化 / 貝器 |
研究実績の概要 |
2020年度はコロナ禍による出張困難のため、当初予定していた現地調査、出土遺物の整理、分析等を実施することができなかった。その結果、研究計画に全体的に遅れが生じ、研究計画を1年間延長せざるを得なかった。しかしながら、出張困難を補うために研究協力者とのオンライン会議等によって連携を充実させ、出土資料の分析を部分的に協力者に進めてもらうことで、ある程度の進展状況は認められた。また、出土遺物の実見が不可能であるため、出土遺物を保管している沖縄県内にて必要な遺物のCT撮影を実施し、デジタルデータによる研究方法を導入することで、一定の研究進展も達成できた。具体的には、旧石器時代貝器の分析を進め、その成果を学術誌に投稿した。また、これまでに進めてきた研究成果に基づいて島嶼環境における旧石器人の適応的生活いついてまとめた論文が、論文集に受理・掲載された。その一方で、現地調査を行えなかったことや、実物資料の検討が十分に行えなかったため、研究計画の遅れを完全には解消できなかった。研究成果発表についても、参加予定であった学会(国際学会含む)の延期や中止があり、予定していた成果の一部を発表することができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本計画は2020年度終了予定であったが、コロナ禍による出張困難のため、現地調査や資料整理が計画どおり進められない状況であった。現地調査の実施可否は2021年度も依然として不透明であるが、出土資料の整理を確保するため研究期間を延長した。出張とオンライン会議の併用によって、協力者とともに十分な分析を進めつつあるため、当初、予定していた成果を2021年度中に達成することを目標としている。
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今後の研究の推進方策 |
社会状況を注視しつつ、可能な範囲で現地調査と資料整理を進める。2021年度も現地調査の実施可否は依然として不透明な状況が続くが、2020年の状況を経てオンラインによる研究連携体制の充実を図ってきたことや、感染リスクへの対応も一定の知見を得られたため、安全対策を整えたうえで現地調査を実施する計画である。また、研究成果の発表についても、2020年度はコロナ禍による中止・延期された学会等が多かったが、2021年度はオンライン開催される学会も多いため、当初予定していた学会発表、一般向けの講演会開催、論文発表など研究成果の発信にも努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による出張困難のため、現地調査計画を中止したことや、沖縄県立博物館・美術館にて保管しているサキタリ洞遺跡出土遺物の整理・分析作業のための出張を当初計画より大幅に縮小したため、旅費、化学分析委託費、消耗品費に使用金額の減少があった。それに伴い研究計画に遅れが生じたため、研究期間を延長し、2021年度に安全対策を整えつつ、2020年度実施予定だった計画を進める。
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