旧石器時代人骨や動物遺骸の発見例が多い琉球列島において、その最初期の人類史を明らかにすることを目的として、沖縄島南部のサキタリ洞遺跡の発掘調査を行った。その結果、ヒトの痕跡が少なくとも3万年前まで確認でき、さらに遡る可能性があると判明した。また、食糧として水産資源(特に淡水カニ)の利用がこの遺跡では続けられ、化石シカは3万年前より古い地層にしか確認できなかった。従来、化石シカは2万年前に絶滅すると考えられていたが、3万年前までには絶滅していた可能性があり、3万5千~3万年前に沖縄島に渡来した人類が影響を及ぼした可能性も考える必要がある。
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