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2018 年度 実施状況報告書

匂いが生理パラメーター、及び、運動に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 18K06454
研究機関大阪青山大学

研究代表者

中西 康人  大阪青山大学, 健康科学部, 教授(移行) (50622669)

研究分担者 木下 博  大阪青山大学, 健康科学部, 研究員(移行) (60161535)
井上 芳光  大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
中原 英博  森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (90514000)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード感情価 / 覚醒度 / 自律神経活動
研究実績の概要

匂いに対する覚醒度と感情価の水準を踏まえて、匂いが安静時の自律神経活動、生理パラメーターに及ぼす影響について体系的・科学的に検証することを目的として研究を行った。健康な若年男性40名に対して、7類の匂いに対する主観調査を行った。本実験では、主観調査において酢に対しての覚醒度は高いが感情価が低い、且つ、オレンジに対しての覚醒度は低いが、感情価が高い評価をした者8名を選び、3(酢、オレンジ、コントロール)条件下で、安静時の匂いに対する自律神経活動および呼吸循環応答を測定した。測定したパラメータは血圧、心拍数、心拍変動、アミラーゼ活性であった。得られた結果は、一元配置の分散分析を用いて分析を行い、有意差が見られた項目についてはTurkeyの多重比較を行った。いずれも有意水準をp<0.05とした。酢条件のLF/HF成分の増加率がコントロール条件よりも高かった。これは酢吸引により交感神経活動が活性化されたことを示す。また、酢条件のHF成分の低下率がコントロール条件よりも高かった。このことは、酢吸引により副交感神経活動が抑制されたことを示す。以上のことより、感情価の低い酢吸引により交感神経活動が活性化されたため、或いは、副交感神経活動が抑制されたために、酢条件の心拍数変化(変化率)が他条件のものよりも高くなったと推察される。また、安静時に交感神経活動が活性化されると末梢血管が収縮し、その結果として血圧が上昇すること、副交感神経が活性されると血管が拡張し血圧を低下させる方向に向かうことが知られている。これらより、本研究において、感情価の低い酢条件の平均血圧、及び、収縮期血圧の変化(変化率)が感情価の高いオレンジ条件よりも有意に高かったのは、酢条件における交感神経活動の亢進とオレンジ条件における副交感神経活動の亢進傾向の相乗効果によるものであると推察される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の実験計画通りに、ある種の匂いに対して覚醒度と感情価が同時に高い評価をした者、及び、双方に低い評価をした者を選ぶための予備調査を行った。しかしながら、上記の条件を満たす者は非常に少なかった。また、条件を満たした数名について、安静下での匂いに対する自律神経活動および呼吸循環応答を測定したが顕著な変化はみられなかった。先行研究を読み返し熟慮した結果、感情価の高低により自律神経活動が影響を受ける可能性が大きいと考えられることから、ある種の匂い(酢)に対しての覚醒度は高いが感情価が低い、且つ、ある種の匂い(オレンジ)に対しての覚醒度は低いが感情価が高い評価をした者(匂い刺激に対して覚醒度と感情価が対角の関係にある被験者)を用いて実験を行った。

今後の研究の推進方策

今後の研究推進方策としては、、酢の匂いに対しての覚醒度は高いが感情価が低い、且つ、ある種の匂いに対しての覚醒度は低いが感情価が高い評価をした者を用いて、①匂いが力発揮の反応時間に及ぼす影響、及び、②匂いが筋持久力に及ぼす影響について検証する。

次年度使用額が生じた理由

予定していた反応時間と力計測装置の製作が少し遅れたために次年度使用額が生じた。今年度の研究のために上記装置製作を早急に完成させ、研究を遂行していきたいと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The effects of odor on high intensity exercise.2018

    • 著者名/発表者名
      Nakanishi Y, Nakahara H, Inoue Y, Kinoshita H
    • 学会等名
      Sports and Exercise Science Conference
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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