研究実績の概要 |
アンモニアに対して感情価が低く(1.7±0.4)覚醒度が高い(6.5±0.5)、且つ、オレンジに対して感情価が高く(6.0±0.4)覚醒度の低い(2.6±0.9)健康な若年成人9名(年齢 23.2±3.4歳)を被験者とし、被験者は立位姿勢で気化臭気噴射管が繋がれたマスクを装着し、加湿器より噴出される水蒸気を吸い込んだ状態で、合図に合わせ全力でデジタル握力計を握った。試技は 5 秒間隔で計 5 回行われ、実験の条件は希釈したアンモニア水蒸気を吸引する条件 (アンモニア条件)、オレンジ精油の水蒸気を吸引する条件(オレンジ条件)、及び、水蒸気のみを吸引する条件 (コントロール条件)の3条件とした。また、被験者は声を発さずに全試技を行い、各条件の順序はランダムに実施した。測定変数は,最大筋力・平均筋力・筋力低減率(<最大値-最小値>/最大値*100) とした。3条件(アンモニア、オレンジ、コントロール)下での最大筋力は(44.8±7.8kg,42.5±5.8kg,43.1±7.2kg)、平均筋力は(42.2±6.6kg,40.6±5.3kg,41.1±6.3kg)、筋力低減率は(16.5±9.9%,13.9±14.2%,17.2±7.9%)であった。以上の結果より、香りの吸引は最大筋力・平均筋力・筋力低減率に影響を及ぼさないことが示唆された。
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