脳梗塞は、極めて発生頻度の高い疾患である。本研究は、脳梗塞の際に活性化する、内在性の神経保護メカニズムに関する解析を行った。研究代表者は、健常な脳で、ニューロンの発達を促進する転写因子Npas4が、脳梗塞後の大脳皮質ニューロンで、強く発現誘導されることを見出した。Npas4欠損マウスやアデノ随伴ウイルスを用いた解析により、Npas4が梗塞巣における細胞死を抑え、予後の運動機能を保つ役割を果たすことを見出した。虚血時のニューロンでは、虚血に伴うCa2+流入によりNpas4の発現が誘導され、Npas4は、過剰なCa2+流入を防ぐネガティブレキュレーターとして働くことを明らかとした。
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