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2019 年度 実施状況報告書

神経筋接合部における細胞外分泌因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 18K06483
研究機関名古屋大学

研究代表者

大河原 美静  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80589606)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード神経筋接合部 / 細胞外マトリックス
研究実績の概要

神経筋接合部(NMJ)は運動神経と筋肉細胞を結ぶシナプスで、シナプスの信号伝達にはアセチルコリンとその受容体であるアセチルコリン受容体(AChR)を利用している。よって、シナプスの信号を効率よく伝達するために、筋肉側のシナプス領域(終板)でAChRが集積することが必要である。現在までにこのAChR集積 に重要な機能をもつ細胞外分泌因子が20個弱知られているものの、未知のたんぱく質はそれ以上あることが想像されている。昨年度までに、申請者は培養条件下で分化した筋肉細胞を用い、AChRが集積する領域に存在する細胞外のたんぱく質を特異的に特定する手法を確立し、AChRのサブユニットとMuSKやLRP4などのいくつかのタンパク質が共局在している事を明らかにした。今年度は、この方法を用いて、細胞外分泌因子中で筋肉から分泌されAChRが集積する領域に存在しAChR集積に機能する因子を多く同定することを目指した。 今年度の実施計画では、成体マウスの筋肉組織のNMJ領域で特異的に発現している細胞外分泌因子をコードしたmRNAのデータセットよりAChRと共局在するたんぱく質を同定する予定であった。しかし、「培養条件下で分化した筋肉細胞」と「成体マウスの筋肉組織のNMJ領域」で共通に発現している細胞外分泌因子は少ないことがわかった。そこで、成体マウスの筋肉組織ではなく、胎生期の筋肉組織のNMJ領域で特異的に発現している細胞外分泌因子のデータセットを新たに作り直す作業を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

既存のデータセットとの比較では、目的の細胞外分泌因子が得られないと判断したため、データセットの再検討を行った。ただし、再検討自体はスムーズに行えたため「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

昨年度行う予定だった、①データセットよりわかる既知の因子の局在を検討する、に加え、②Rspo2、FGF18などの分泌因子と共に関わる細胞外分泌因子を同定という計画を実施する予定である。培養細胞を用いたウェスタンブロットや細胞免疫染色を取り急ぎ行うことでAChR集積に 関わる複数の因子の役割を明らかにしていきたい。

次年度使用額が生じた理由

本来であるならば、近傍で局在するタンパク質の同定を行うための予備実験を行う予定であったが、実施できなかった。このため、タンパク質の精製などの実験に使用する費用を次年度使用額とした。 次年度は精製に加えて、それを検出する試薬などを計上する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] tRIP-seq reveals repression of premature polyadenylation by co-transcriptional FUS-U1 snRNP assembly.2020

    • 著者名/発表者名
      Masuda A, Kawachi T, Takeda JI, Ohkawara B, Ito M, Ohno K.
    • 雑誌名

      EMBO Rep.

      巻: e49890 ページ: e49890

    • DOI

      10.15252/embr.201949890

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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