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2019 年度 実施状況報告書

老化するとなぜ神経組織の堅牢性は低下するのか

研究課題

研究課題/領域番号 18K06485
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

佐貫 理佳子  京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 助教 (50607471)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード老化 / ショウジョウバエ / 自然免疫 / ミノサイクリン / マイクロRNA
研究実績の概要

外傷性脳損傷(TBI)のモデルとしてショウジョウバエを用いた解析を実施した。前年度までにミノサイクリンの薬効が若齢と老化個体で異なることを見出した。この解析をさらに進め、ミノサイクリンがTBIではなぜ若齢ショウジョウバエにのみに有効かを調べた。その結果、ミノサイクリンは若齢群の引き起こす自然免疫の活性化を抑制することができるが、老化群ではそれができないことが明らかになった。また、バルプロ酸は神経保護薬として緑内障の治療においても期待されているが、ショウジョウバエでは明確な有効性は示さなかった。
自然免疫との関連をさらに解析するために、いくつかの遺伝子についてノックダウンできるショウジョウバエ系統を入手した。入手したショウジョウバエ系統を用いてノックダウンを実施したが、系統間の遺伝的背景の違いによりノックダウンの効果がマスクされてしまうことが分かった。そのため、アウトクロスを繰り返し、野生型として用いられるCanton S系統に遺伝的背景を置き換えた。
また、哺乳動物での検証のためマイクロRNAを用いた老化細胞モデルの作製に取り組んだ。17ラインの細胞を得ている。この際に利用したマイクロRNAの生体における効果についても検証した。さらに、マウスの初代培養細胞を長期間にわたり培養し、自然老化モデルとして使用可能であることをb-gal解析によって確かめた。脳損傷時を模倣できる処置を行い、死亡する細胞の数が培養期間の短いものに比べて増加することが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に計画したことを遂行することができたため。

今後の研究の推進方策

培養系における老化モデルと個体に生じる老化の共通点をさぐり、自然免疫との関連を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

物品購入予定であったが、COVID19により年度内に調達ができないことが分かったため。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Epidemiology and Impact of Traumatic Brain Injury2020

    • 著者名/発表者名
      Langlois Jean A.、Rutland-Brown Wesley、Wald Marlena M.
    • 雑誌名

      Journal of Head Trauma Rehabilitation

      巻: 21 ページ: 375~378

    • DOI

      DOI: 10.1097/00001199-200609000-00001

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Normal aging hyperactivates innate immunity and reduces the medical efficacy of minocycline in brain injury2019

    • 著者名/発表者名
      Sanuki Rikako、Tanaka Tomoya、Suzuki Fumiko、Ibaraki Kimihide、Takano Toshiyuki
    • 雑誌名

      Brain, Behavior, and Immunity

      巻: 80 ページ: 427~438

    • DOI

      10.1016/j.bbi.2019.04.023

    • 査読あり
  • [学会発表] 神経マイクロRNAの in vivo強制発現による細胞分化への影響2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木 富美子、田中智也、佐貫理佳子
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 種間で保存性の高いマイクロRNAの機能の比較2019

    • 著者名/発表者名
      田中智也、佐貫理佳子
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会年会
  • [備考] Sanuki Lab

    • URL

      https://sites.google.com/view/sanuki-lab

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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