研究課題/領域番号 |
18K06504
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
伊藤 日加瑠 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 助教 (50587392)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 神経発達障害 / 小頭症 |
研究実績の概要 |
小児の2%にも及ぶ神経発達障害は、現代社会において多くの問題を引き起こしている。神経発達障害には、小頭症や大頭症のほか、知的障害や注意欠陥多動性障害、自閉症などの様々な症状がみられ、多くの患者で複数の症状が混在してみられる。これまでの研究によって、神経発達障害の症状のうち、知的障害や自閉症などに対する研究成果は多数報告され、治療法の確立へ向けて進展している。しかし、小頭症や大頭症など脳の大きさに異常をきたす症状への治療法は全く無く、その病態も未解明な部分が多い。 神経発達障害の原因遺伝子として、現在までに多くの遺伝子が同定されているが、そのうちの一つとしてKdm5c / Jarid1c が知られている。Kdm5c 遺伝子変異によって知的障害を伴う脳の大きさの異常が引き起こされるが、興味深いことに小頭症と大頭症の両方の患者が報告されている。そこで、Kdm5c 遺伝子変異による脳の大きさの異常を分子レベル、細胞レベル、個体(マウス)レベルで解析し、その病態メカニズムを解明することを目的として、本研究課題を実施している。 これまでに、私たちの研究グループは新たにKdm5cノックアウトマウス(エクソン11欠損マウス)を作出し、様々な行動解析等を行った。その結果として、知的障害、過剰な攻撃行動、運動学習障害や小頭症を呈することが明らかとなった。既に、そのマウスの脳組織を用いたRNA-seqも一部実施しており、現在解析を進めている。また、新たなKdm5cの結合蛋白質の同定も試みており、神経幹細胞の増殖や分化に関与する新たな結合蛋白質の候補を幾つか捉えつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度は研究代表者の移動に伴う引越しがあったために、当初の実験計画よりやや遅れが生じた。小頭症の解析については順調に進歩しているが、大頭症の解析については、予定より遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、小頭症に関しては、Kdm5cノックアウトマウス(エクソン11欠損マウス)を用いたRNA-seqの解析データから神経幹細胞の増殖・分化に関わる遺伝子の発現変動を捉え、なお且つ、増殖・分化を制御している新たなKdm5cの結合蛋白質の同定を試みる。また、大頭症に関しては、2018年度に達成できなかったモデル細胞の樹立を試みる。
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