研究課題
基盤研究(C)
現在、小頭症や大頭症など脳の大きさに異常をきたす神経発達障害への治療法は全く無く、その病態も未解明な部分が多い。そこで、Kdm5c 遺伝子変異による脳の大きさの異常を分子レベル、細胞レベル、個体(マウス)レベルで解析し、その病態メカニズムを解明することを目的として、本研究課題を実施した。その結果、小頭症を呈するKdm5c変異マウスの脳および神経細胞では、神経細胞の分化に関与する遺伝子群の発現増加がみられた。また、神経幹細胞の増殖や分化を制御している新たなKdm5c結合蛋白質も複数同定した。
神経科学
本課題の研究成果によって、小頭症を引き起こす新たなメカニズムの一端を解明できる可能性が示唆された。小頭症の病態メカニズムは未だ不明な点が多く、今後、さらに精査していくことにより、将来的な小頭症の治療へと応用することも十分可能であると考えている。さらには、本研究成果を発端として小頭症だけでなく大頭症など脳の大きさに異常をきたす神経発達障害の根本的な治療法開発へとつなげていく。