研究課題/領域番号 |
18K06505
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
井村 徹也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00405276)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | グリア細胞 / 脳腸相関 |
研究実績の概要 |
消化管の発達した神経システムは全身の恒常性の維持に貢献しており、その破綻は消化管疾患のみならず動脈硬化や糖尿病・認知症等の様々な病態に関与していることが示唆されている。特に中枢神経病態と消化管との両方向性の相互作用、いわゆる脳腸相関が近年注目されている。しかしながら脳疾患や老化に伴うヒトEGCの動態については殆どわかっていない。本研究では、EGCが疾患特異的な形質と役割を有しているという仮説の検証を目的に、申請者がこれまでに得ている知見をもとにヒトEGCの変化についての詳細な解析を行う。同時に、疾患動物モデルを用いた検討を連関させることで、病態下におけるEGCの動態とその診断・治療等への応用の可能性を探索することを目的とする。 2020年度にはヒト消化管病理検体を使用して、前年度に引き続きEGCマーカー分子の発現とwhole mount染色・透明化標本の作製により、各種疾患・年齢・部位・性別等によるEGCの動態についての観察研究をさらに進めた。その結果から示唆される仮説の検証のため、3次元培養システムの構築を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト検体使用のための倫理審査ならびに検体の収集・選別に想定以上の時間を要し、多数例解析の進捗に遅れを生じた。またCOVID19パンデミックの影響等で予定していた動物モデルの一部の入手が困難であり、代替法の検討を要した。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト検体の多数例解析をさらに進め、中間結果で得ているヒトEGCの動態の検証を行うと同時に、作業仮説の検証を培養モデル・動物モデルでの解析へ進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
多数例解析を目的とした臨床研究の倫理審査・症例の収集・選別に予定より遅れが生じ、また当初予定していた基礎モデルの変更の必要性が生じたため、次年度使用額が生じた。さらに症例数を蓄積し臨床背景との相関等の解析結果を進め、新たに構築した基礎モデルを用いて仮説の検証を行うために使用する予定である。
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