本研究は、異常アミロイドタンパク質が神経細胞内で発生し、近隣の細胞へ伝播する過程を2光子顕微鏡により観察することを目的としている。そのため1)同一細胞を長期間観察するための手技、2)神経細胞間の接続状況の同定、3)神経細胞の機能異常の同定の確立を行った。そこで、1)gore-tex社製の人工硬膜を使用することで、最長4ヶ月の観察に成功した。2)アミロイド伝播による機能的な影響を観察するため体性感覚野を対象にし、体性感覚野と運動野との接続を明らかにした。さらに、3) 大脳皮質体性感覚野の刺激への応答パターンを同定した。これにより、機能異常が見られた時の刺激応答の変化を比較することが可能となった。
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