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2021 年度 実績報告書

Reelinによるゴルジ体構造制御が脳神経系の動的恒常性維持に果たす役割

研究課題

研究課題/領域番号 18K06543
研究機関愛知県医療療育総合センター発達障害研究所

研究代表者

松木 亨  愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 細胞病態研究部, 主任研究員 (90332329)

研究分担者 中山 敦雄  愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 細胞病態研究部, 部長 (50227964)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードSTK25 / MST3 / Rac1 / RhoA / 大脳皮質形成
研究実績の概要

令和3年度では、STK25が脳形成時においてReelinシグナルと拮抗的に機能する事に着目し、研究を進めてきた。海馬のPyramidal neuronで見出していたように、Stk25をノックダウン(KD)やコンディショナルノックアウト(cKO)すると大脳皮質の移動中のneuronにゴルジ体断片化を引き起こし、約50%のneuronが移動障害を示した。しかし、cKOマウスでも最終的にゴルジ体構造や皮質構造は正常であることから、ゴルジ体の断片化、神経細胞移動の回復には代償機構が働いている事が予想された。そこでSTK25と同じキナーゼグループに属し、相同性が非常に高いMST3, 4が候補に考えられた。MST4は脳で発現が見られないが、MST3はSTK25と同様の発現を示し、かつ先行研究からMST3のKDでゴルジ体の断片化、神経細胞移動障害がみられる事が分かった。そこで、アクチン骨格制御で重要な役割を果たすRho-GTPaseとの関係をしらべたところ、STK25,MST3ともRac1と強く相互作用し、ARHGEF6,7との相互作用を介してRac1の活性化を制御する事が分かった。加えて、両分子ともCul3-Bacurd1複合体との相互作用を介したRhoAの積極的分解に関与することも分かった。本研究で見出した結果は、Reelinシグナルと拮抗的に機能するSTK25がMST3とのGenetic Compensationによって大脳皮質形成に重要な役割を果たしている事を示すことが出来た。本研究から得られた知見から、これらのGenetic Compensationがゴルジ体の構造制御機能にも働いている事が予想されるとともに、Reelinシグナルとのクロストークにより高次脳機能へのゴルジ体ダイナミクスの関与を明らかにできると確信している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] SUNY Upstate Medical University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      SUNY Upstate Medical University
  • [雑誌論文] STK25 and MST3 Have Overlapping Roles to Regulate Rho GTPases during Cortical Development2021

    • 著者名/発表者名
      Matsuki Tohru、Iio Akio、Ueda Masashi、Tsuneura Yumi、Howell Brian W.、Nakayama Atsuo
    • 雑誌名

      The Journal of Neuroscience

      巻: 41 ページ: 8887~8903

    • DOI

      10.1523/JNEUROSCI.0523-21.2021

    • 査読あり
  • [学会発表] STK25が関与する大脳皮質形成機構2021

    • 著者名/発表者名
      松木亨、飯尾明生、上田昌史、常浦裕未、中山敦雄
    • 学会等名
      第53回日本臨床分子形態学会総会

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公開日: 2022-12-28  

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