触媒的C(sp3)-H変換法における未解決課題である「位置選択性の触媒制御」を可能とする触媒開発研究に取り組んだ。 1)アルコール認識部位を備えるHAT触媒の設計によって、C-H活性化過程を擬似分子内化するアプローチから位置選択性の発現に取り組んだ。しかしながら種々の問題に直面し、このアプローチは断念した。 2)アルコール分子認識によって結合解離エネルギー(BDE)を低下させる、結合弱化触媒系をDFT計算によってスクリーニングし、シリカート・ボレート種が候補になることを見いだした。また具現化としてMartinシランや電子不足ボリン酸を用いたアルコールαC-Hアルキル化協働触媒系を開発した。
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