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2019 年度 実施状況報告書

薬剤耐性の克服を目指した新規抗HIV性ヌクレオシドの合成と核酸医薬への展開

研究課題

研究課題/領域番号 18K06552
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

吉村 祐一  東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00230813)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードヌクレオシド / 核酸医薬
研究実績の概要

昨年度合成に成功した4'-ヒドロキシメチル-4'-チオウリジンから4'-チオLNA誘導体への変換を検討した。Pummerer型チオグリコシル化反応により得られた4'-ヒドロキシメチル-4'-チオウリジン誘導体の1級ジオール部を脱保護した後、2つあるジオール部の一方を選択的に保護することを検討した。はじめにベンジル化の検討を行ったが、目的とするモノ-O-ベンジル体は全く得られず、ウラシルN3位がベンジル化された誘導体が得られた。保護基をベンゾイル基に切り替え条件検討を行ったところ、ジオール部を一旦ジベンゾエートとした後、メトキシド処理により中程度の収率ではあるがモノベンゾエートに変換できることを見出した。得られたモノベンゾエート体の2級ジオール部のアセタール保護基を除去し、4つあるヒドロキシ基のうち、所望の1級ヒドロキシ基のみをベンゾイル基で保護した4'-チオウリジン誘導体の合成を達成した。2'位以外のヒドロキシ基を保護するため、同誘導体に対し、1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキシル(TIPDS)基で3'位と5'位を同時に保護することを試みた。しかし、目的とする3',5'-TIPDS体は全く得られず、2',3'-TIPDS体が主生成物として得られるのみであった。現在、他の保護基の導入を含め3',5',5''位それぞれを任意の保護基で保護した4'-チオヌクレオシド誘導体の合成を検討している。
第2のプロジェクトである、ジヒドロチオピラノヌクレオシド合成については、グリコシル化反応によるジヒドロチオピラノヌクレオシドへの変換を検討した。昨年度、合成を達成した疑似糖部となるジヒドロチオピラン誘導体を対応するスルホキシドに導いた後、当研究室で開発したPummerer型チオグリコシル化反応に付したところ所望のヌクレオシド誘導体が良好な収率で得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

保護基の導入には苦労しているが、最終工程に必要な誘導体の合成には近づいている。第2のプロジェクトであるジヒドロチオピラノヌクレオシドの合成についても、基本骨格の合成を達成した。

今後の研究の推進方策

任意の保護基で保護した4'-チオヌクレオシド誘導体が得られれば、最後の工程である分子内求核置換を行い、目的とする4'-チオLNAヌクレオシドユニットの合成を検討する。

次年度使用額が生じた理由

昨年度からの繰り越し分を完全に消化できなかったことに加え、新型コロナウィルス感染症拡大のため日本薬学会第140年会の開催が中止となり、学会出張に伴う旅費を使用できなかったため。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Synthesis of 2'-aminouridine derivatives as an organocatalyst for Diels-Alder reaction2020

    • 著者名/発表者名
      Wakamatsu, Hideaki, Itoh, Moeko, Natori Yoshihiro, Yoshimura Yuichi
    • 雑誌名

      Nucleosides Nucleotides & Nucleic Acids

      巻: 39 ページ: 365-383

    • DOI

      https://doi.org/10.1080/15257770.2019.1646917

    • 査読あり
  • [学会発表] 4’-置換ヌクレオシド誘導体の光学分割2020

    • 著者名/発表者名
      遠藤 柚季乃、若松 秀章、伊藤 恭平、斎藤 有香子、名取 良浩、吉村  祐一
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
  • [学会発表] 4’-置換 4’-チオリボシルチミン誘導体の合成2020

    • 著者名/発表者名
      前田 璃音、若松 秀章、庄子 希望、名取 良浩、吉村 祐一
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
  • [学会発表] 4’-置換ヌクレオシド誘導体の合成と光学分割の検討2019

    • 著者名/発表者名
      遠藤柚季乃,若松秀章,伊藤恭平,斎藤有香子,名取良浩,吉村祐一
    • 学会等名
      令和元年度東北医科薬科大学創薬研究センターシンポジウム
  • [学会発表] 4’-置換ヌクレオシド誘導体の光学分割2019

    • 著者名/発表者名
      遠藤柚季乃,若松秀章,伊藤恭平,斎藤有香子,名取良浩,吉村祐一
    • 学会等名
      第58回日本薬学会東北支部大会

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公開日: 2021-12-27  

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