抗体医薬については多くの医薬品が上市されているのに比べ、核酸医薬はまだ大きく遅れを取っている。その理由として、核酸医薬が抱えている問題点があり、1)ターゲットDNAやRNAへの特異的結合と二重鎖の形成並びにオフターゲット効果の抑制、2)ヌクレアーゼなどの核酸代謝酵素に対する抵抗性の獲得、3)核酸医薬の組織・細胞移行性の改善、4)インターフェロン応答による自然免疫活性化の回避などが挙げられる。報告者が開発した4'-チオLNA/BNAモノマーはRNAに対する親和性を維持しつつ、導入したオリゴマーのヌクレアーゼに対する抵抗性の改善が期待され、血中でより安定な核酸医薬の開発へとつながるものである。
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